災害時医療救護活動について
概要
大規模な災害が発生すると、家屋やその他の建物が倒壊したり、火災が発生したりして、多くの負傷者が出ます。また、地域の医療機関も被害を受け、機能しなくなる可能性があります。そのような混乱の中で、ひとりでも多くの命を救うため、茅ヶ崎市では被災状況に応じて医療救護所を開設します。医療救護所では、応急手当やトリアージなどの医療救護活動を行います。なお、医療救護所の開設予定場所は赤羽根中学校を除く市内公立中学校12校、小和田小学校及び地域医療センターです。
災害時における医療救護活動
茅ヶ崎市では、災害対策本部(統括調整部・保健医療対策班)の指示のもと、茅ヶ崎医師会、茅ヶ崎歯科医師会、茅ヶ崎寒川薬剤師会等の医療関係団体と連携し、医療救護所において救護活動を行うこととしています。
また、医療救護所は、医療機関と違い、医薬品や衛生材料が充分でないため、主に応急手当やトリアージが行われます。
トリアージ(triage)とは、多くの負傷者が同時に発生した場合にできるだけ多くの命を救うため、治療の必要性(緊急度)が高い負傷者とそうでない負傷者を選別し、治療や後方搬送の優先順位をつけることです。
(注)後方搬送とは被災地外への病院へ搬送することです。
トリアージは、その結果を明示するためトリアージタッグという認識票を使用します。タッグ用紙は3枚つづりで、1枚目は災害現場用、2枚目は搬送機関用、3枚目本体は収容医療機関用となっています。負傷者の右手首にタッグのゴム輪を二重に巻きつけますが、不可能な時は左手首→右足首→左足首→首の順になります。
災害時は、医療従事者も被災者です。また、医療に必要な資源が大変不足します。災害時に重要なことは、自分の身は自分で守ることが大切です。平常時から、救急セットを用意したり、救急対応法について学んでおくと安心です。
治療の優先順位は以下の4つに区分されます。
それぞれの区分に識別色があり、判定後、トリアージタッグは判定された色を残してもぎります。
順位 | 識別色 | 分類 | 傷病等の状態 |
---|---|---|---|
1位 | 赤 | 緊急治療群 (重症群) |
直ちに処置を行えば救命可能 |
2位 | 黄 | 待機治療群 (中等症群) |
多少治療が遅れても生命には危険がない |
3位 | 緑 | 治療保留群 (軽症群) |
上記以外の軽易な傷病で専門医の治療を必要としない |
黒 | 不処置群 (死亡群) |
既に死亡している又は処置を行っても明らかに救命不可能 |
トリアージの必要性
災害時は、希少な医療スタッフと医薬品を活用するため、診療前にまずトリアージが行われます。
トリアージを行わず先着順に診療を行った場合、重症者が長時間放置される事態が生じます。また、最重症者から治療を始めた場合には、その治療に医療スタッフ、医薬品が集中してしまい、確実に救命可能であったはずの他の重症者に手が回らなくなる事態が考えられます。
こうした問題を解決するために、トリアージの実施が提唱されています。救命の可能性が非常に低い者よりも可能性の高い者に対して優先的に治療・搬送を行うことで、より効率的・効果的な治療ができるという考え方です。
トリアージとは、緊急度によって負傷者をグループ分けすることですが、それは希少な医療資源を適切に配分するための前提となる作業です。
医療救護訓練
大規模災害の発生を想定し、トリアージ訓練、遺体取扱訓練、心肺蘇生法訓練等を行っています。
災害時に重症者は病院へ、自分で歩いて病院へ行ける等のかたは最寄の医療救護所へ搬送するなど役割を分担し、負傷者が病院に殺到することを防ぎます。またトリアージや医療救護所の役割を市民の皆様に理解していただくことで、災害時に迅速かつ効果的に行動することができます。そのためにも、医療救護所となる施設を確認しておくことが必要です。
そして災害時は医師の人手が不足します。負傷者の搬送手段や搬送方法、搬送までの応急救護術を平常時から市民のかた一人一人が習得することで、より多くの命を救うことができます。
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