登録有形文化財「茅ヶ崎館」
「茅ヶ崎館」について
茅ヶ崎館は、茅ヶ崎の別荘地・保養地としての歩みを具体的に示す存在であり、湘南にかつては多く存在した、海浜旅館としての様相を良く残す数少ない遺構及び湘南の文化史上極めて貴重な建造物といえます。加えて、古写真など旅館の来歴を残す資料が残されていることも価値を高めています。
また、映画監督・小津安二郎や脚本家・野田高梧、斎藤良輔をはじめとした、松竹の映画監督や脚本家が定宿としていた旅館でも知られています。茅ヶ崎館に逗留して脚本がかかれた『長屋紳士録』『晩春』『麥秋』『東京物語』などの作品は、あまりにも有名です。
平成21(2009)年1月8日、茅ヶ崎館の広間棟・中二階棟・長屋棟・浴室棟の4件が、当市で初めての登録有形文化財(建造物)となりました。
なお、令和6(2024)年3月6日、上記4件のうち、長屋棟が登録有形文化財(建造物)抹消となりました。
- 名称
- 茅ヶ崎館広間棟 (ちがさきかん ひろまとう)
茅ヶ崎館中二階棟(ちがさきかん ちゅうにかいとう)
茅ヶ崎館浴室棟 (ちがさきかん よくしつとう) - 数量
- 3件(1ヵ所)
- 所在地
- 茅ヶ崎市中海岸3-11595-1ほか
- 年代
- 広間棟:大正15(1926)年頃
中二階棟:大正14(1925)年
浴室棟:大正15(1926)年頃 - 所有者
- 個人
- 特徴等
- 湘南海岸を望む高台に建つ、明治32(1899)年創業の老舗旅館。広間棟の広間は30畳大で軽快な意匠の座敷飾りを備え、南西側に中二階棟、南東に長屋棟を配して中庭を囲んでいた。
広間棟後方の浴室棟は数寄屋風意匠でまとめている。 - 登録基準
- 国土の歴史的景観に寄与しているもの(広間棟、中二階棟)
造形の規範となっているもの (浴室棟) - その他
- 登録有形文化財(建造物)は、50年を経過した歴史的建造物のうち、一定の評価を得たものを文化財として登録し、届出制という緩やかな規制を通じて保存が図られ、活用が促される制度です。
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