広報ちがさき2021年(令和3年)12月1日号4面 No1161 ちがさき丸ごとふるさと発見博物館講座(基礎編) 楽しみながらまちの魅力を発見 社会教育課文化財保護担当 暮らしているけれど意外と知らない茅ヶ崎のこと。自分のまちの歴史や自然、文化などを学べる人気講座を開催します。全9回の講座を通して、楽しみながらまちの魅力を発見しませんか。 茅ヶ崎をさまざまな視点から 本講座は今回で13回目を迎え、これまでの受講生は297人。土地の成り立ちや自然環境、祭りや風習、史料の見つけ方など、考古学、自然史、民俗学、文献史学の各専門の講師が分かりやすく解説します。 日時 2022年1月18日~3月15日の毎週火曜日10時~11時45分(全9回) 場所 図書館第1会議室(Zoomで参加も可) 講師 須藤格(文化資料館学芸員)他3人 対象 本講座を受講したことがなく、原則全9回参加できる市内在住・在勤・在学の方20人〈申込制(先着)〉 申込 12月6日(月)~2022年1月11日(火) ほか 新型コロナウイルス感染症の影響により、Zoomでの開催のみになる場合があります 講座詳細 12/11(土)〜2022年2/6(日) 戦後日本を代表する版画家・彫刻家 浜田知明 アイロニーとユーモア 美術館☎(88)1177 戦後の日本を代表する版画家・彫刻家の浜田知明。過酷な戦争体験をもとに制作した「初年兵哀歌」シリーズをはじめとした版画作品や彫刻作品を紹介し、創作の軌跡をたどります。 作品約70点を公開 浜田知明は代表作である「初年兵哀歌」シリーズで一躍注目を集め、人間社会を痛烈な皮肉とユーモアで捉えた表現が国内外で高く評価されました。本展では所蔵作品約60点と県立近代美術館所蔵作品13点を公開します。 時間 10時~17時(入館は16時30分まで) 休館日 月曜日(2022年1月10日は開館)、12月29日(水)~2022年1月2日(日)、1月11日(火) 観覧料 一般700円(600円)、大学生500円(400円)、市内在住で65歳以上の方350円(250円) ※ ( )内は20人以上の団体料金。高校生以下、障がい者とその介護者は無料 浜田知明 『初年兵哀歌(歩哨)』1954年、エッチング、アクアチント、紙、茅ヶ崎市美術館蔵©Hiroko Hamada 2021/JAA2100301 美術館HP 茅ヶ崎ゆかりの人物たち 第22回 木村義雄 将棋の十四世名人である木村義雄は、終生名人制から実力名人制となった名人位の初代名人で、大正から昭和にかけて将棋界に大きな業績を残した棋士であるとともに、茅ヶ崎の地域活動にも貢献した人物でした。 22歳で八段に昇段  木村義雄は1905年、東京市本所区(現・墨田区)で八代続いた履物屋を営む父・木村鎌吉と母・よしの次男として生まれました。幼い頃から囲碁と将棋が強く、大人にも負けなかったといいます。浅草の将棋道場で指していたところを関根金次郎八段(後の十三世名人)に見込まれて入門。各棋戦で好成績を収め、1924年には六段に昇段、1926年には22歳で八段に昇段という前例のない快挙を達成しました。  一方で木村は、1924年に報知新聞へ嘱託として入社し、観戦記を18年間担当しました。また、1928年に刊行の著書『将棋大観』は、アマチュアが楽しんで学べるように駒落ち将棋の定跡を整理し、大ベストセラーとなりました。 初代実力制名人位  1937年に花田長太郎八段(後の九段)との対戦に勝利して初の実力制による名人位に就き、五期連続名人位を保持しました。2年後の第六期名人戦で塚田正夫八段(後の名誉十段)に敗れ、名人位を渡すことになりましたが、第八期名人戦で同名人を破り名人位に復帰する偉業を成し遂げました。  復帰後三期その座を守りましたが、1952年の第十一期名人戦で大山康晴九段(後の十五世名人)に敗れ、引退を表明するとともに永世名人の第十四世に就きました。 永世名人と茅ヶ崎   東京都府中の自宅が狭く転居先を探していたところ、松林に囲まれた茅ヶ崎の自然環境を気に入った木村は、引退を機に小和田(現・出口町)へ移住しました。  1960年には、将棋での業績が評価され将棋界で初の紫綬褒章を受け、1973年に将棋大賞特別賞を受賞、1978年には勲三等旭日中綬章を受章しました。  現役時代から地域のために協力を惜しまず、茅ヶ崎でも市教育委員を1961年から4年間務めるとともに、小和田付近在住の波多野鼎(元農林大臣)、松本賢治(横浜国立大学教授)らと聴雨会を結成。同会は道路整備や町内会のあり方などを市へ要望し、道路改修について街頭での署名運動に加わるなど積極的に活動しました。  木村は、1986年11月17日に没しましたが、その日はくしくも「将棋の日」で、将棋界で祝福される81歳の盤寿での死去でした。 【文化生涯学習課市史編さん担当】 1946年に名人位を奪回 1978年の木村義雄 ここにある、このこころ。 こころのバリアフリー市民部会より・・・12月1日から「ここにある、このこころ。」と題して心のバリアフリー推進の新たな取り組みを開始します。障がいなどの有無に関わらず、茅ヶ崎市で過ごす全ての人が、他者を思いやるコミュニケーションをソウゾウ(想像/創造)する機会となることを目指します。