広報ちがさき2021年(令和3年)3月1日号2面 No1152 ありのままで、自分らしく暮らせるまちへ 多様な性について考えよう 性のあり方は「男性」「女性」の2つだけではなく、多様で人それぞれ異なります。多様性を認め、尊重し合う社会の実現を目指すため、市は4月から「パートナーシップ宣誓制度」を導入します。【男女共同参画課多文化共生担当電話(57)1414】 3つの性と性的マイノリティ 私たちの中には、こころの性とからだの性が一致しない人、好きになる性の対象が同性や男女両方に向いている人などがいて、「性的マイノリティ(少数者)」と呼ばれています。また、性的マイノリティを表す言葉の一つとして「LGBT」があります。 3つの性 からだの性 自分の身体的特徴は?  こころの性 自分の性の認識は?  好きになる性 どんな人が好き? LGBT レズビアン 女性を好きになる女性 ゲイ 男性を好きになる男性 バイセクシャル 性別に関係なく人を愛する人 トランスジェンダー からだの性と、こころの性が一致しないという感覚を持つ人 ※このほかに、男女どちらにも恋愛感情を抱かない人や、自身の性を決められない人、わからない人などもいます 違いを理解し、認め合う 日本の人口の3~5%が性的マイノリティといわれています※。2020年1月に行った市民意識調査では、3.9%の方が自分の性別や恋愛・性愛の対象となる性別などについて悩んだことがあると回答しました。社会にはいろいろな人がいて、一人一人違います。性的マイノリティの当事者は、周囲の人の「違い」に対する無理解や偏見からさまざまな困難を抱えることがあります。誰もが個人として尊重され、自分らしく生活できる社会を実現するためには「違い」を理解し、互いに認め合うことが大切です。 ※調査対象や方法によって数値は異なります 4月~パートナーシップ宣誓制度を開始 性的マイノリティをはじめとするさまざまな事情で婚姻の届け出をせず、あるいはできずに悩みや生きづらさを抱えている市民に寄り添うため、4月1日㈭から「茅ヶ崎市パートナーシップ宣誓制度」を始めます。 どんな制度? 法的な効力はありませんが、公営住宅に入居する際の証明になるなど、お互いを人生のパートナーとして自分らしく生活することを応援する制度です 誰が宣誓できるの? 継続的な共同生活を行おうとする2人が宣誓できます 宣誓方法は? 事前予約制。3月18日㈭~予約受付開始。宣誓の条件・方法、必要書類など詳細は市をご確認ください 県内で最初に同制度を開始した横須賀市の利用者の声 渡邉美和さん(よこすかにじいろかれー)行政が自分たちの関係性を認識している安心感は大きいです。制度があることが大切だと感じます。 ご自身の経験から、市内で性的マイノリティに関する活動をしている方にお話を伺いました 制度の導入で生きづらさの解消に 信濃小百合さん(にじ色のたねを育てる会代表) ちがさき男女共同参画推進プラン協議会委員としても活動 LGBTをテーマとした映画上映会や学習会を企画する活動をしています。中学生の頃、同性婚が許されていないことを知り、LGBTであることに悩みましたが、誰かに愛情を持つことは間違っていないと思って生きてきました。LGBTの場合、医療機関にかかるときやパートナー亡き後など人生の節目で、法的な保障がなく困難に直面します。そのため、強い信念や知識・人脈などがないと生きていけない現状があります。パートナーシップ制度の導入が、生きづらさの解消につながればと思います。 制度を知ることが大きな一歩 安田ちひろさん(映画作家) 映画制作コミュニティ「スタジオMalua」の企画・運営を行う 制作する映画のテーマは、LGBTを特別視してほしくないので、異性愛も同性愛もあります。中学生の頃にLGBTであることに気づきました。20代後半で母親に伝えると、「ちいの好きなように生きればいいよ」と言ってもらえました。パートナーシップ制度の認知度は低く、知ることが大きな一歩です。 たくさんの情報と選択肢を 那須かおりさん(一般社団法人4Hearts代表) 社会的マイノリティな人々に寄り添う活動を行う 私は、聴覚障がいとLGBTのダブルマイノリティの生きづらさの経験から、現在の活動をしています。周囲の人も当事者も生きやすくなるよう、たくさんの情報や選択肢があることが大切です。幅広い年代の方に障がいもLGBTも受け入れてもらっており、茅ヶ崎は多様性を生かしていける環境だと思います。 その人自身の性自認や性的指向について打ち明けられた際は、本人の了承なく誰かに伝えること(アウティング)をしないように気を付けましょう