広報ちがさき2020年(令和2年)11月1日号3面 No1148 もっと知りたい Choice!CHIGASAKI 「Choice!CHIGASAKI」とは、道の駅のオープンを見据え、茅ヶ崎の魅力の発信やイメージ向上を目指すオリジナルブランドです。今年2月に認定された20品目の中から数品目ずつピックアップしてお届けします。 【産業振興課道の駅整備推進担当】 Choiceで海の幸 今回は、茅ヶ崎の海の幸を取り入れた、潮の香りを感じられる3品を紹介します。 ①茅ヶ崎ナンプラーえぼしの雫 欣ずし 小又学さん ラーメン、卵かけご飯、炊き込みご飯など、塩やしょうゆの代わりに使うとおいしくいただけます。また、アイデア次第で料理の幅がどんどん広がります。 南湖2-3-12 ☎(82)7884 ②茅ヶ崎産湘南活しらすの浜漬け 株式会社魚卓 浅見卓也さん 茅ヶ崎独自のしらす漁で、取れたてのしらすを漬けているため鮮度抜群です。ご飯やお酒のお供、卵焼きに入れてもおいしくいただけます。やみつきになること間違いなしです。 東海岸北2-1-56 ☎(81)4066 ③茅ヶ崎「海の和」食パン Breadstudio mog 鈴木智哉さん 製法にこだわり、もっちりとした食感が特徴。茅ヶ崎ナンプラー「えぼしの雫」を加え生地をこね上げているためスープはもちろん、みそ汁にも合います。他では味わえない一品をお楽しみください。 高田2-3-6 ☎(38)8844 電話による119番通報が困難な方へ NET119緊急通報システム NET119は、聴覚や発話等の障がいにより音声での緊急通報が困難な方のための119番通報システムです。スマートフォンなどの携帯電話を使用し、簡単な画面操作で通報ができます。 【指令情報課指令情報担当☎(85)4591】 通報は簡単 4つの操作で ①画面に表示される「救急」「火事」「その他」を選択 ②通報場所の「自宅」「現在地」を選択 ③救急の場合、具合が悪いのは「自分」「自分以外」を選択 ④「通報」マークをスライドして、通報完了 ※通報は消防職員が受信し、文字でやりとりができます ※利用には事前登録が必要です。消防本部指令情報課で登録手続きができますので、お問い合わせください 茅ヶ崎ゆかりの人物たち 第十六∔回 城山三郎  直木賞作家で文学界を代表する城山三郎。1957年に移住して以来、茅ヶ崎を執筆と生活の拠点として経済小説や伝記文学、戦争文学など幅広い分野の作品を世に出しました。 戦争体験が作家「城山三郎」の根幹に 城山三郎は本名を杉浦英一といい、1927年に愛知県名古屋市で生まれました。文学好きな少年でしたが、自ら志願して海軍特別幹部練習生になり、広島県呉市での訓練中に終戦を迎えました。この戦争体験で人の生き方について考えるようになったことが後の執筆活動の根幹となります。一橋大学卒業後は、父親の体調不良のため名古屋に帰郷し、愛知学芸大学(現・愛知教育大学)で助手や専任講師として勤務。結婚して名古屋市千種区の城山町に転居し、執筆活動を行いました。ペンネームの「城山三郎」は、「城山八幡宮の近くに3月に転居した」ことに由来しています。 直木賞など数々の文学賞を受賞 1957年『輸出』で文学界新人賞を受賞したことをきっかけに上京。さらに静かな環境を求め、東京や勤務先の大学がある愛知県岡崎市へも電車1本で行けて、妹夫婦が住む茅ヶ崎市へ移住。岡崎まで片道4時間半の通勤時間は、じっくり資料に目を通すことができ、ゆっくり本も読めて本人にとっては至福の時間だったそうです。 1959年『総会屋錦城』で第40回直木賞を受賞。4年後には大学を辞めて作家に専念。以降、巨大な組織や権力に立ち向かう気骨のある人物を描き続け、『落日燃ゆ』で毎日出版文化賞と吉川英治文学賞、2002年には経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞しました。 執筆も生活も茅ヶ崎で 城山は茅ケ崎駅前のマンションの一室を仕事場としていました。近隣の喫茶店で編集者と打ち合わせをし、執筆の合間に中央公園を一周して本屋に立ち寄り、お気に入りの高砂緑地を散歩。また、スリーハンドレッドクラブや湘南シーサイドカントリー倶楽部で作家仲間たちとゴルフを楽しみました。 最愛の妻が急逝してからは、妻の面影のある自宅を離れ、駅前の仕事場が生活の場となりました。心身共に衰えが目立つようになった頃、親交のあった開高健の記念館を訪れ、じっくりと鑑賞した後、彼らしい良い記念館だと感想を述べていたそうです。2007年、市内の病院で79年の生涯を閉じました。都内のホテルで行われた「お別れの会」には作家仲間だけでなく、財界人や首相経験者など政治家も参列し、作家・城山三郎を偲びました。 【文化生涯学習課市史編さん担当】 1995年頃の城山三郎 提供:㈱アイザワ写真館 相澤實