広報ちがさき2020年(令和2年) 9月1日号4面 No1146 下水道の正しい利用を 家庭で使われた水は、下水道を通って処理場に運ばれ、きれいな水に生まれ変わります。快適で衛生的な生活を確保し、河川や海の水をきれいに保つための大きな役割を担っている下水道について、9月10日の「下水道の日」を機会に考えてみましょう。 【下水道河川総務課排水指導担当】 9月10日は下水道の日 9月10日は台風が多いといわれる雑節の「二百二十日」にあたる日。下水道の大きな役割の一つとして「雨水の排除」があり、大雨に備えるという意味で、この日に制定されました。 家庭の排水管を大切に 市が管理している公共下水道は、私たちの財産です。家庭の排水管はルールを守って適切に使用し、定期的に清掃するよう心心掛けましょう。 ごみや油を流さない 生ごみ、野菜くず、油などは排水管を詰まらせ、悪臭や有害ガスを発生させる原因になります。 トイレにトイレットペーパー以外を流さない 紙おむつや水に溶けにくいティッシュペーパーなどは便器や排水管を詰まらせる原因になります。 排水管の近くに木を植えない  排水管の小さな隙間から木の根が進入し、成長に伴って排水管を詰まらせることがあります。 下水道に接続しましょう 下水道が使用できる場所では、法律や市の条例でトイレや台所の排水を下水道へ接続することが義務付けられています。接続工事は市に登録している指定工事店へお申し込みください。 油脂の流出を防ぐグリーストラップの適正管理を 飲食店や施設などの厨房の排水には、油脂分が多く含まれています。油脂分を流すと管の中で冷えて固まり、排水管や公共下水管の詰まりや悪臭の原因となります。調理などで出る油脂分はふき取る、固めて捨てるなど、排水管にできるだけ流さないようにし、定期的な清掃と十分な維持管理をしましょう。 グリーストラップ 厨房排水に含まれる油脂分を分離・収集し、排水口や配水管を詰まらせたり、下水に直接流れ込んだりすることを阻止する装置 ※グリーストラップ内の汚泥等の沈殿物については、産業廃棄物として適正に処理してください 地下水をご利用の方へ  地下水を下水道へ流している場合は、排水量の申告が必要です。市役所下水道河川総務課までお問い合わせください 9月は食生活改善普及運動月間と健康増進普及月間 フレイル予防の食事と運動 フレイルとは、加齢に伴って筋力や心身の活力が低下した状態をいいます。フレイルを予防・改善するために、栄養・運動・社会参加の3つを意識し、日頃の生活を見直してみましょう。 【保健所健康増進課健康づくり担当☎(38)3331】 健康長寿3つの柱 栄養 運動 社会参加 基本の食事を整える 1日3食、主食・主菜・副菜がそろった食事に1日1回、牛乳・乳製品をプラスして体に必要な栄養素を取りましょう。 筋肉をつくる栄養素 フレイル予防には筋力アップが必要です。筋肉をつくるたんぱく質は、主菜に多く含まれています。筋力アップのために主菜量を減らさないようにしましょう。 1食あたりの主菜の目安量 少なくとも卵1個(約60g)、肉や魚の場合は目玉焼きサイズを目安に 主菜 肉、魚、卵、大豆・大豆製品が中心のおかず 副菜 野菜、芋、きのこ、海藻が中心のおかず 主食 ごはん、パン、麺類 骨をつくる栄養素 フレイル予防には、骨を強く保つことも大切です。骨を強くするための食品も積極的に食事に取り入れましょう。 役割 栄養素 主な食品 骨の材料になる カルシウム 牛乳・乳製品、大豆製品、小魚や骨ごと食べられる魚、緑黄色野菜(特に青菜)、海藻、切り干し大根など カルシウムの吸収を助ける ビタミンD 魚介類、きくらげ、干ししいたけなど 骨の形成を促す ビタミンK 納豆、青菜など マグネシウム 大豆製品、ごま、ナッツ類、海藻、魚介類など 積極的に体を動かす  筋肉量を維持・増やすためには筋力トレーニングが効果的です。新型コロナウイルス感染症の影響で外出の機会が減っていますが、感染予防をした上でのウオーキングや、自宅でのトレーニングなどで積極的に体を動かしましょう。市HPでは自宅でできる筋力トレーニングを動画で紹介しています。 茅ヶ崎ゆかりの人物たち 第十五回 井上 有一(いのうえ ゆういち) 1982年頃の井上有一 アートとしての「書」を確立し、孤高の現代書家として知られる井上有一。終戦後は茅ヶ崎に移り住み、市内の中学校教諭を務めながら、数々の作品を生み出しました。 画家を目指すも書の道へ 有一は、1916年に東京下谷二長町(したやにちょうまち)(現・東京都台東区)で古道具屋の息子として生まれました。幼い頃から絵が得意だったため、師範学校を経て本所区(ほんじょ)横川小学校で教べんを執る傍ら、画家を志して夜間に画塾や研究所を遍歴。25歳で書に転じると同僚から紹介された書道家・上田桑鳩(そうきゅう)に師事します。 終戦後の1946年、茅ヶ崎町第一国民学校の教員となり、両親と茅ヶ崎へ移住。桑鳩らが発刊した競書雑誌『書の美』への出品をよりどころに書を学びますが、思うような作品が書けない日々が続きました。 そんな有一に転機が訪れたのは1950年。亡父への供養に書いた『自我偈(じがげ)』(法華経の句)が上田桑鳩の目に留まり、書道芸術院展に初出品し好評を得ると、多くの書道展・美術展に出品するようになりました。この頃の有一は、筆を草箒(くさぼうき)に、墨をエナメルに変えてケント紙に書くなど、型破りな創作を行っていました。 また、ニューヨーク近代美術館「日本の書展」、パリやブリュッセルでの「墨人展」など海外の展覧会にも出品し、欧米で高い評価を得ます。 教員をしながらの制作活動 書家として活動しながらも、第一中学校、松林中学校で教師を続け、寒川町立寒川中学校教頭、寒川町立旭小学校校長を歴任し、41年間の教員生活を終えました。当時の生徒の記憶では、枠からはみ出して書く表彰状の文字は、必ずしも上手とは思えなかったといいます。一方、同僚の教諭によると有一は書だけでなく、陶芸や写真、絵など芸術分野はどれも超一流だったと回想しています。 「日常使っている文字を書くことで、誰でも芸術家になれる。書は世界に類を見ない芸術である」と語っていた有一。墨の塊のような一文字の作品は独特の作風として知られ、市美術館には多くの作品が収蔵されています。『国』(1964年)は、菱沼海岸の自宅兼アトリエで古関裕而(こせきゆうじ)作曲の「オリンピックマーチ」を大音量で流しながら一心に制作した作品でした。晩年は「狼(おおかみ)屋敷」と名付けたアトリエで1985年に亡くなるまで作品を制作しました。  没後も京都国立近代美術館を皮切りに7か所の国公立美術館を巡回する回顧展「大きな井上有一展」、2000年には市美術館で「生きた書いた井上有一展」を開催。書の母国である中国の美術館でも相次いで大個展を開催するなど、全身全霊を傾けた作品は現在も世界中の人々に感動をもたらしています。 【文化生涯学習課市史編さん担当】 10月1日㈭~7日㈬は公証週間 公証制度は、契約や遺言の際のトラブル防止と遺言の完全な実現を図るものです。相談は無料で、各公証役場で受け付けています。 【横浜地方法務局☎045(641)7461】