広報ちがさき1月1日号 旧氷室家住宅​主屋 国登録有形文化財に​ 別荘文化を伝える意匠が評価 市内東海岸南にある旧氷室家住宅主屋が昨年11月2日、「昭和期の住宅思潮と都市近郊における別荘開発の様相を伝える建造物」として国の文化審議会に評価され、国登録有形文化財に登録されました。市内における国の登録有形文化財としては4件目となります。​ ​【公園緑地課公園緑地担当、社会教育課文化財保護担当】​ 旧氷室家住宅主屋は敷地北寄りに建つ木造2階建てで、1935年に建築されました。建物の西側は板敷きの洋室を中心とした開放的な造り、東側は床の間を配した和室や緩やかな勾配の軒など、洗練された和風意匠が特徴です。洋室と和室の間には段差を利用した通気口が設けられており、風通しの良さにも工夫を凝らしています。​ 同建築物は、もともと三井不動産の副社長を務めた氷室捷爾さん・花子さん夫妻の住居でした。洋菓子店を営んだ実業家で花子さんの父・吉田忠哉さんが、1935年に別荘地として当時人気だった茅ヶ崎に建築し、その後氷室夫妻が継承。歌人としても知られた捷爾さんは、1960年に東側へ和室や広縁などの平屋を増築、四季折々の庭園を楽しみました。 夫妻の相続人から1991年に庭園とともに市へ寄贈され、現在は氷室椿庭園の一部として外観のみが公開されています。​ 庭園とともに市民に親しまれている「旧氷室家住宅主屋」の外観 和室からは四季折々の庭園が楽しめる 西側の洋室は大きな窓に開放的な間取りが​特徴 国登録有形文化財(建造物)とは ​建築から原則50年を経過したもので、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」、「造形の規範となっているもの」、「再現することが容易でないもの」など、一定の評価を得た建造物を、保存と活用のための措置として文化庁が文化財登録原簿に登録しています。​ 4つの登録有形文化財が語る近代の茅ヶ崎​ 旧氷室家住宅主屋が国登録有形文化財に登録されたことを記念して、文化財講演会を開催します。 日時 1月26日㈯14時~16時​ 場所 図書館第1会議室​ 講師 水沼淑子さん(関東学院大学教授)​ 定員 50人〈申込制(先着)〉​ 申込 1月4日㈮~社会教育課に☎で​ 200種の椿がお出迎え​ 氷室椿庭園 椿を中心に松やバラなど約1300本の庭木類に囲まれ、地域に親しまれている「氷室椿庭園」。広さ約2800m2の庭園内に赤や白、ピンクとさまざまな色で咲き誇る200種以上の椿は、2月下旬~3月下旬に見頃を迎えます。​ なかでも白やピンクの地に紅色の絞りが入った「氷室雪月花」は珍しい品種として人気を集め、満開時には市内外から多くの方が鑑賞に訪れます。 所在地 東海岸南3-2-41​ 開園時間 9時~17時​ 休園日 月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)​12月29日~1月3日 ※ 3月中は無休 アクセス JR茅ケ崎駅南口から​ ・徒歩20分​ ・神奈中バス:茅09系統 東海岸循環または茅37系統 西浜経由「東海岸南3丁目」下車徒歩5分​ ・コミュニティバス「えぼし号」:「④恵泉幼稚園前」下車徒歩7分​ ※ 駐車場は障害者用のみ2台あり(予約制)​ 茅ヶ崎の未来を創るために「市政に直球勝負」 茅ヶ崎市長 佐 藤 光 新年明けましておめでとうございます。 市民のみなさまにおかれましては、輝かしい新春を健やかにお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。 昨年は、故服部信明前市長が任期途中で急逝されたことにより11月に市長選挙が行われました。みなさまから多大なご支援をいただき、市長の重責を担わせていただくこととなり、大変、身の引き締まる思いでおります。故人の功績に深く敬意を表するとともに、私なりの思いを込めながら、本市のさらなる発展に向けてまい進してまいります。 市制施行70年を越えて 持続的に発展できる「まち」へ 2016年10月から「まだ70年、これからも進化する茅ヶ崎」をスローガンに進めてきた、市制施行70周年記念事業期間が昨年9月をもって終了し、10月1日の71回目の市制記念日から新たなステップが始まりました。1947年の市制施行当時は4万3千人あまりだった人口も現在は24万人を超え、湘南の中核を担う都市として、多くの方々の英知と努力により着実な発展を遂げてきました。今後予想される人口減少や急激な少子高齢化などが進む中にあっても、子どもから高齢者まで、さまざまな立場の方々をしっかりと社会で支えることができる仕組みの実現に向けて、努力してまいります。 さらなる茅ヶ崎の魅力アップを目指して 本年4月をもって平成が幕を閉じようとしています。その先にある新たな時代に向かっていくため、課題に立ち向かい、新たなまちづくりを進めてまいります。具体的な施策の方向性につきましては、昨年11月の所信表明演説の中で述べさせていただきました。茅ヶ崎の未来を担う子どもたちの健康、地域医療の拠点である市立病院の経営改革、高齢者の健康寿命の延伸、市民の健康のためのスポーツ振興を通じた地域づくりなどをはじめとして、経済活性化や行政経営など、前市長が進めてきた施策の経緯などを踏まえ、継承を基本としながら、変えるべきところは変え、進化できるところは進化させ、時代の変化に対応した施策の展開を目指してまいります。 茅ヶ崎の未来を、市民のみなさまと一緒に創り上げていくために、より一層のご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、みなさまにとって、健康で輝かしい年となりますよう、心からお祈り申し上げます。 ※ 所信表明演説の内容は本紙8面をご覧ください