風しん流行中​ 予防接種で感染拡大防止を​ 7月の後半から首都圏の風しん発生届出件数が増加しています。現在も流行が広がっており、市内でも発生しています。風しんの流行で最も怖いのは、妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんに影響を及ぼす恐れがあることです。​ 風しんは予防接種で防ぐことができます。市では、対象者に無料の風しん抗体検査と予防接種費用の助成を実施しています。予防接種を受けていない方、過去に風しんにかかったことがない方や不確かな方は、予防接種を受けましょう。 【保健所保健予防課感染症対策担当☎(38)3315、保健所健康増進課こども健康・予防接種担当☎(38)3331】 流行の中心は30代~50代の男性​ 風しんの主な症状は発しん、発熱、リンパ節の腫れです。一度かかると、大部分の人は生涯風しんにかかることはないといわれています。従来、集団生活に入る1歳~9歳ごろに多く発生していましたが、今年の流行は特に30代~50代の男性が多くなっています(図1参照)。風しんウイルスは飛まつ(唾液のしぶき)などによってほかの人にうつります。感染力はインフルエンザよりも強く、発しんの前後1週間くらいはあるといわれています。 妊娠中の女性は特に注意 風しんで最も怖い点は、風しんに対する免疫を持たない女性が妊娠中(特に妊娠初期)に感染すると、胎児が白内障、先天性心疾患、難聴などを主な症状とする先天性風しん症候群にかかる恐れがあることです。抗体を持たない、または抗体が低い妊娠中の女性は、可能な限り人混みを避け、不要不急の外出を控えるようにしてください。また、妊娠中の女性の周りの方(配偶者・パートナー、子ども、同居家族)も予防に努めましょう。 予防接種費用の一部を助成​ 市では、麻しん風しん混合(MR)ワクチンの接種費用(1回分)の一部を助成しています。事前に保健所健康増進課(☎または窓口)へお申し込みください。​ また、子どもは2回の定期予防接種を必ず受けましょう。 ・成人風しん予防接種助成の対象者​  過去にこの制度を利用していない方のうち、接種日現在、市に住民登録があり、次のいずれかに該当する方​が対象です。 ❶ 1990年4月1日以前に生まれた方で、妊娠を予定または希望している女性​ ※ 妊娠中は接種を受けることができません。また接種後2か月間は妊娠を​避けることが必要です​ ❷ 現在妊娠をしている女性の配偶者 (パートナーを含む、婚姻関係は問わない)​ ❸ 1979年4月2日から1990年4月1日生まれの男性 ・自己負担金 3500円 (生活保護受給世帯は全額公費負担)​ 風しん予防接種は保健所健康増進課、抗体検査は保健所保健予防課へお問い合わせください。 ■ 抗体検査で確認できます​ 図2のとおり、年代によって受けた予防接種の回数が異なります。予防接種が必要かわからない方は風しん抗体検査(血液検査)を受けましょう。​ 次に該当する方は、検査を無料で受けることができます。 ❶ 妊娠を予定または希望している女性 ❷ 妊娠を予定または希望している女性の配偶者・パートナー​ ❸ 風しん抗体が低い妊婦の配偶者・パートナー ※ ❶~❸のいずれも、過去に風しん抗体検査を受けたことがある方、明らかに風しんの予防接種歴がある方、検査で確定診断を受けた風しんの既往歴がある方は除きます 集団感染の危険も 保健所長 南出純二​ 湘南地域でも風しんの職場内集団発生が広がっています。20代~50代の男女において予防接種の不十分な方(男性を主体に)が相当数存在するため、職場内で一人が発症すると簡単に集団感染となります。風しんは妊娠初期に感染​すると胎児に先天性風しん症候群を引き起こします。妊娠に気付く前に感染することも多いようです。妊娠の可能性がある女性はもちろんのこと、風しんの抗体保有に自信のない男性や、集団感染で業務に支障の出る職場全体でも予防接種を早急に検討してください。