2033年ごみ処理の危機 第2回 ごみ処理は、市民のみなさんの日々の生活に関わるとても身近な問題です。この連載では、ごみ処理の課題と課題解決に向けた取り組みを分かりやすく伝えます。連載第1回目は「ごみの減量化・資源化」の問題を取り上げました。第2回目のテーマは「ごみ処理施設とごみ処理経費」です。【資源循環課資源循環担当】みなみちゃん 市内に住む好奇心旺盛な小学4年生 おじいちゃん 自治会内で環境指導員として活躍する70歳 ネコ太 みなみちゃんの家で飼われているネコ 今回のテーマ処理する施設はいつまで使える?処理するお金はいくら?みなみちゃんは、小学校の環境学習で、萩園の環境事業センターと堤の最終処分場へ見学に行ってきました。みなみちゃん おじいちゃん、環境事業センターの中にある施設は、2033年頃までに建て替えや大きな修理が必要なんだって。おじいちゃん ごみを燃やす「ごみ焼却処理施設」とごみを細かくする「粗大ごみ処理施設」のことじゃな。ごみ焼却処理施設は、最近大きな工事をしたんじゃが、15年くらいするとまた整備が必要になるんじゃ。粗大ごみ処理施設は40年以上前に作られた古い施設だから、早く新たな施設を整備しなければいけない。最終処分場にも行ったのかい?みなみちゃん うん、ものすごく広かったよ!でも、2033年までしか使えないんだよね。新しい処分場を作ることはできないのかな?おじいちゃん それは難しいのう。新しく処分場を作るには、たくさんのお金と広い土地が必要なんじゃ。地域の自然環境を守ることも大切だからのう。みなみちゃん 処分場がないと灰を埋め立てることができないよね…。ごみを燃やして出た灰はどうなってしまうの?ネコ太 まちがごみだらけになったら困るニャ!おじいちゃん 大丈夫。方法はいろいろあるんじゃが、一番の方法はリサイクルといわれておる。今も一部の灰はリサイクルしておるが、これからは全ての灰をリサイクルすればよいんじゃ。みなみちゃん リサイクルすると何に生まれ変わるの?おじいちゃん 道路の材料や人工の砂、セメントの原料にもなるんじゃ。ネコ太 すごいニャ!みなみちゃん それなら、処分場が使えなくなっても大丈夫だね。おじいちゃん ところが、灰をリサイクルするにはたくさんのお金が必要なんじゃ。そもそもごみの処理には、今でもたくさんのお金がかかっておる。みなみちゃん ごみの処理にかかるお金って、いくらぐらいなの?おじいちゃん 毎年30億円以上のお金が必要で、その大部分は税金でまかなわれているんじゃよ。みなみちゃん えっ、そんなに!?おじいちゃん さらにこれからは、ごみ処理施設の整備や埋め立てができなくなった後の灰のリサイクルに必要となるお金のことも考えなくてはのう。みなみちゃん わたしたちは何をすればいいのかな。おじいちゃん まずは、ごみと資源物をしっかりと分けて出すことじゃな。ごみを減らせば、ごみを処理するお金を減らせるからのう。みなみちゃん ごみを減らせば灰の量も減るから、処理にかかるお金も少なくなるんだね。友達にも教えてあげよ!①ごみ焼却処理施設(萩園)②粗大ごみ処理施設(萩園)③寒川広域リサイクルセンター(寒川町)④堤十二天一般廃棄物最終処分場(堤)2015年から2017年にかけて①の施設を延命化・省エネ化するため、大きな工事(基幹的設備改良工事)を行ったんじゃ。①~③の施設は2033年頃までに整備が必要で、④の施設は2033年に使用期限を迎えるから、ごみを燃やして出た灰を埋め立てることはできなくなるよ。次回は2019年1月1日号で「課題解決に向けた取り組み」のお話だニャ。