市立病院が県がん指定病院に日常を変えず安心のがん治療 日本人のほぼ2人に1人ががんになるとされ、私たちにとって身近な病気となっています。現在がん治療は日進月歩で、さまざまな治療法が確立する中、がんになっても住み慣れた地域で治療し、自分らしい生活を送る環境も整ってきています。市立病院は、がんの専門的な治療が行える施設として、4月から県の「がん診療連携指定病院」※に指定されました。「自宅から通いやすい」、「仕事を続けられる」など患者さんの日常をできるだけ変えずに、最善の治療が受けられます。【市立病院医事課☎(52)1111】※ がん診療連携指定病院 県知事が独自に指定する、専門的ながん治療や緩和ケアの提供、患者や患者の家族に対する相談支援や情報提供など、総合的に質の高いがん治療を提供する役割を担う病院のこと 通院時間の負担軽減 地域で完結できる治療 がんは種類や進行度によって、治療方法も千差万別です。医学が進歩し、投薬が点滴から飲み薬になったり、副作用による吐き気が最小限に抑えられるようになってきたりしています。最近では働きながら通院し、治療している方も多くいます。市立病院で一貫した治療ができるようになることで、他市や遠方の病院に通わなければ受けられなかった治療や検査が、「地域で完結できるがん治療」としてできるようになり、通院にかかっていた時間を仕事や生活に有効活用できるようになります。自分の生活している住み慣れた地域に、専門的な治療ができる病院があることは利便性にも優れ、安心して治療に臨めるようになります。また、体調に変化があった時に、すぐに対応できるということも、身近に病院があるメリットです。 都合に合わせて専門的な診療を 充実の乳がん治療 以前は、乳がんの専門的な治療をするためには、市外の乳腺の専門科がある病院に行かなければなりませんでしたが、2016年4月に市立病院に乳腺外科を開設しました。2017年には乳腺外科専用超音波画像診断装置を導入し、より専門的な診療が受けられるようになりました。外来診療は月~木曜日に行っています。診察日が多いことで、患者さん自身の都合に合わせて受診できます。受付・診療時間 曜日 月曜日(午後のみ)/火曜日(午後のみ)受付時間 12時30分~15時 診療時間 13時~17時 曜日 水曜日(午前)/木曜日(午前)受付時間 8時30分~11時 診療時間 9時~12時 曜日 水曜日(午後)/木曜日(午後)受付時間 予約のみ(継続診療の方) ささいなことでも一人で悩まず 相談は誰でも、身近に、気軽に がんと診断された時、患者さんやそれを支える家族の方、周りの方も突然のことに戸惑い、不安に駆られてしまうことがあります。しかしそれは一人で抱えきれるものではありません。市立病院ではそんな悩みや不安を少しでも解消し、安心して生活できるよう「がん相談支援センター」を設置しています。患者さんだけでなく、家族の方、地域の方など、どなたでも無料でお受けしています。相談は電話でも直接センターにお越しいただいても構いません。「こんなこと相談するまでもないかも…」などと悩まず、ささいなことでも話してください。相談日時 月~金曜日(祝日、年末年始は除く)8時30分~17時 相談場所 市立病院1階 地域医療連携室内 がん相談支援センター ☎(52)1111「がん相談」と伝えてください 例えばこんな相談 診断されてから、とにかく不安 費用がどのくらいかかるか心配 家族ががんと診断されて、どう接していいのかわからない 仕事を続けていけるか心配 セカンドオピニオンについて知りたい 早期社会復帰へつながりやすく 中央診療部長兼泌尿器科部長 藤浪潔 市立病院のがん治療は、早期社会復帰を目指した、手術・検査などに伴う痛み、出血などをできるだけ少なくする低侵襲治療を積極的に取り入れています。従来の外科治療とは違い、内視鏡を使用することで小さい傷での手術となり、全身負担の軽減、目立ちにくい手術痕、手術時間の短縮、入院期間の短縮などが特徴となります。そのため、医療費の低減と術後早期に普段の生活へと戻ることができ、社会復帰へつながりやすくなります。また、がんの進行期では、外来での薬物療法※、医師や看護師の他、薬剤師や理学療法士などの緩和ケアチームによる症状緩和に向けた治療も充実させています。がんは「恐ろしい病」から「付き合う病」に変わってきています。だからこそ無理なく治療するために、遠方の病院に行かずとも、この住み慣れた茅ヶ崎市の中で、安心して安全な治療を受けていただけるようながん治療を行っています。※ ‌抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などを用いた治療